紙の海にぞ溺るる

或は、分け入つても分け入つても本の山

古書店

市場で買ってもらった本など

もう2か月も前になってしまったが、遠路はるばる大阪まで出向いたのは、揃えている復刻のシリーズが販売されるためであった。漫画だから出た分についてはきちんとすべて読んでいるものの、貸本作家について詳しいというわけではなく、むしろ未知の作家と出会…

小江戸から深川

ここ数ヶ月の浪費がたたり、まさに爪に火をともさんばかりの節制生活を送っているのだが、どうしても行っておきたい特別展があったので川越へ。 川越市立美術館は、ちょっと前に小村雪岱の展示+講演会で訪うて以来である。広大な展示スペースを有しているわ…

古本ドラフト争奪戦

朝はどうにも動けなかったが、昼から古本まつりへ向かい、しつこくS林堂に詰め掛ける。もう単行本の補充はないとのことなのでちょうどよく、全体に思い切った値下げがなされていた。 ①高浜虚子『虚子句集』(植竹書林)大4年10月24日 500円 今まさに文アルで…

お祭り3日目

当初の予定では、今回の古本まつりへ詣でるのを2日間に限ることとしていた。それは休みの都合でもあったし、また自分の浪費を諫める意味でも、足繁く神保町通いをするのは避けようとしていたのだ。が、ちょっと約束ができたのを幸いとして、午前中だけ軽く覗…

お祭り2日目

古本まつりの2日目にして、ブックフェスの初日でもある。昨年は青展を真剣に見たりはしなかったので、気になっている出版社のブースに朝から詰め掛け、研究書の類をバカ安価格で入手したものだった。 今回はと言うと、さすがに昨日のS林堂の魅力にあてられて…

お祭り1日目

年に一度の神田古本まつりである。ふだんは煤けたオジサンが徘徊する場所として知られる神保町も、この期間だけはなんとなく界隈が華やいで、若い本好きの姿も多くみられるから新鮮だ。 むろん古本者としては朝から赴かなくてはならない。当初の目当ては、ベ…

美装幀三昧

某氏から連絡があり、曰く「ムシャ書房の棚にいい本があるよ」とのことであった。 ムシャ書房というのは、ふだんから色々ご教示をくださっている先輩が先ごろ開業した古本屋で、先月ついに古書通信誌上で目録がお目見えしたところであった。事務所自体も近々…

要る本だけを買いに行く

行きたい特別展があったのだが、昨日は体育の日。忌々しい休日営業のために、博物館は軒並み本日休業であった。このことに気づかぬまま休みをとってしまった私は、寝不足の体を引きずって、取りおいてもらっている本を回収しに行くことにした。 ①蜂須賀正氏…

疑似、浅草体験

駅を降りると東京大学の裏手へ出た。母曰く、かつてはザリガニの釣れるドブ川が流れていたらしいエリアであるが、ちょうどその構内へ入るところの木が派手に倒れていた。先の台風の影響であろう、根がほとんど露出し、脇のフェンスをまでも持ち上げてしまっ…

ふらふらの大阪

シュミテンが終わるや否や新幹線で大阪へ向かった。用事自体は翌日だったので、この日はホテルへチェックインしておしまい、でもよかったのだが、せっかくならと古本屋へ。 先輩方の多くからご推薦いただいた「文庫カイ」である。以前よりツイッターで存じ上…

芳年を見る

下等遊民として古本にまみれた生活を送っていることは言うまでもないが、それだけでは書架が横溢されるばかりで居住空間の確保が危ぶまれてきてしまう。といってアウトドアな趣味があるでもなく、休日はどう過ごしているのかというと、ツイッタ等の情報収集…

署名本過多

この頃本を買いすぎている。優品が目の前に現れたとき、それが買える値段であるのに見過ごすのは男ではない。これが千載一遇の好機とばかりに、迷わず清水の舞台から飛び降りるのが蒐集家の本懐ではないか。とはいえその好機が立て続けに起こると、さすがに…

台風一過

ここ2日ほどは暴風雨を警戒してロクに出かけられなかった。といって、特段外出の予定があるでもないが、それでも自由が利かないことそれ自体にフラストレーションを感じる。 思ったほど台風の影響を受けなかった関東。ようやっと雨も収まったので行きつけのS…