紙の海にぞ溺るる

或は、分け入つても分け入つても本の山

展示

空腹の彷徨

金がない。私個人の事情をここに書いても詮無いのは言うまでもないが、金欠に拍車がかかっている今、本来ならば古本を購っている場合ではない。けれどもそこは腐ってもマニヤ、本を買わないことには精神の安寧が図れないのである。そうなれば削るは生活費と…

本の塔を廻る

吉祥寺は某ギャラリーにて、YOUCHAN氏の個展が開催された。氏の作品については以前も書いたが、タッチと色合いとの組み合わせが絶妙で、戦前の探偵小説などの雰囲気を見事に描き表しているのが特色だと私は感じている。 今回の展示は、前回別の場所で開かれ…

桜桃忌直前

桜桃忌といえば太宰治の命日(正確には死体の上がった日)だが、数ある文学忌のなかでも多くのファンが史跡に詰め掛けることで有名である。 私は今までに2度、桜桃忌に禅林寺へ足を運んだが、そのどちらも人でごった返していた。中には墓石の目前で群衆に対…

個展、道すがら童話を

梅雨に入ったのか入らないのか、いまいち判然としない日差しの中を歩くのはほんとうに大儀である。古書展はしばらく先までなさそうだが、美術館や博物館はそれなりに営業しているなか、どうも調子が取り戻せなくていけない。以前なら週に1度はどこかの展示を…

横浜に滑り込む

宣言が出るとかでないとかいった点は、問題の本質ではないと思うのだが、表面的には博物館の休業や古書展の中止というかたちで、我々趣味人が暇を持て余すことになるのだからやりきれない。小市民にとってみれば、どだい詮方のないことである。 そういう状況…

2包みの本と二笑亭

ふと思い立って検索してみたら、練馬区立美術館で開催の「式場隆三郎展」の会期が終わりかけていると分かった。ゆめゆめ見逃せぬ展示とはわかっていながら、足を運ぶのが億劫でここまで先延ばしにしてしまった己の怠惰を嘆きつつ、それでもマドテンの1日目に…

東横日和

東急東横の閉店が大々的に告知されたのがいつだったか、ともあれ記念の小展示やら思い出の募集やらにより、往年の渋谷利用者間でノスタルジックな盛り上がりを見せているようだ。 私は世代的に、百貨店の記憶はほとんど持ち合わせていない。幼少期などは連れ…

南部から横浜

夜通し活動し、およそ酩酊に近い状態で迎える朝はいつものこと。しかしどうしても行きたい展覧会があるので、カフェインを過剰摂取の上、都心へ向かう。 ここで我が事ながら狂っていると思うのは、ちょうどユーコカイが開催されているから寄っておこうと途中…

雪を避けつつ

夕方から雪の予報が見え隠れしており、となれば不要不急の外出は避けるというのが、凍結に不慣れな関東人にとっては賢明な判断であろう。しかしながら私こと下等遊民は、この頃の引きこもり生活にやうやう嫌気がさしつつあったので、ちょっと近文に出掛けて…

年末の彷徨

前回のエントリで「どうにも気が乗らない」というような心情を書いたが、その鬱屈した状況から抜け出せずにいる。下等なる遊民である以上、多少の体力的な無理を強いられようとも、文化的な活動を控えてはならないと思う一方、気力がそれについていかないの…

100均周遊

忙しい、と偉そうなことをのたまえるようなヤンゴトナイ身分ではないのだが、貧乏暇なしとは正にその通りである。睡眠もそこそこに出掛け、文化的活動に興じたかと思いきや、その間隙を埋めるのはやはり本。 いちおうの目的は日本近代文学館である。今週まで…

小江戸から深川

ここ数ヶ月の浪費がたたり、まさに爪に火をともさんばかりの節制生活を送っているのだが、どうしても行っておきたい特別展があったので川越へ。 川越市立美術館は、ちょっと前に小村雪岱の展示+講演会で訪うて以来である。広大な展示スペースを有しているわ…

上野をはしご

昨日の今日で上野へ出向いた。珍しく平日のど真ん中が2連休となったためだが、基本的に正しい生活を心がけていないので、今日も今日とて寝不足はなはだしい。展示を楽しむコンディションとしては最悪のひとつだろう。 1件目は科博。夏から開催されていた「昆…

疑似、浅草体験

駅を降りると東京大学の裏手へ出た。母曰く、かつてはザリガニの釣れるドブ川が流れていたらしいエリアであるが、ちょうどその構内へ入るところの木が派手に倒れていた。先の台風の影響であろう、根がほとんど露出し、脇のフェンスをまでも持ち上げてしまっ…

芳年を見る

下等遊民として古本にまみれた生活を送っていることは言うまでもないが、それだけでは書架が横溢されるばかりで居住空間の確保が危ぶまれてきてしまう。といってアウトドアな趣味があるでもなく、休日はどう過ごしているのかというと、ツイッタ等の情報収集…