紙の海にぞ溺るる

或は、分け入つても分け入つても本の山

式場隆三郎『肉体の火山』

山雅房 昭22年7月15日

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 多様な活動が知られている式場隆三郎は、小説まで残している。

 本書の目次は以下のとおりである。(括弧内は頁数、旧字は新字に改めた)

春に散りぬ (5)

肉体の火山 (30)

痣のあるヴイナス (44)

日本とらんぷ譚 (68)

赤門恐怖症 (93)

鏡に映る女 (127)

白い地平線 (149)

夜の影 (184)

死者は死せず (209)

鼠とダイヤ (333)

医神を射る (244)

 つくづく、先に参照した著作目録に外装等の情報が欠けているのは残念である。この本はまあ外装無完本だろうと思うが、一番入手したい且つ文学史的に価値のある『自分の影』にいたっては全く様子がつかめず困っている。もしお持ちの方があったら書影だけでも確認させていただきたいと切に願う。