紙の海にぞ溺るる

或は、分け入つても分け入つても本の山

自分語り

古本蒐集の始まり

GWはあまり本を買えそうにないので、筆の向くままに思い出を書いてみたい。若い蒐集家の記録として、集めだしは語るべき大切なポイントであろうが、なにしろ記憶が曖昧なので、一切の価値が期待できないことをここに断言しておく。 * * * * 初版本蒐集家…

欠席の口上

近代文学を蒐集している書痴にとって、今日のシュミテンが実質的な新年の幕開けだったのではないか。12月のマドテンから1ヶ月しか開いていないわけだけれども、年末年始はごたごたするものだから、何となく体感として久方ぶりの古書展という感じがする。 し…

量の年から質の年へ

下等遊民たる私にも、他の方と同様に新年が来た。といって暦とは一切関係を断った生活をしているため、感慨らしい感慨はないのだが、まあ区切れでもあるしと2018年で買った本のリストを整理している。 昨年の7月に、「上半期の5冊」と題して特に優れた収穫を…

目録を取り逃す

フソウ目録が届いた。 私の住む一帯は郵便の速い地域であるらしく、全国数多生息する古本鬼たちが玄関先で待ち構えている目録を、昼過ぎには受け取ることができるのだ。ところが私はふだん夜中に活動をしているので、最速でそれを確認しようとすれば、必然、…

古書展の書き方

古書即売会*1には、だいたい月イチで通っている。実際、神保町の古書会館ではほぼ毎週開催されているのだが、私が必ず足を運ぶのはシュミテンとマドテンの2つだけだ。近代文学の蒐集をやるにはこの2展がおすすめ、と初めて聞いたのがどこだったか、いまとな…

若き蒐集家、記録をつけ始める

いちおう古本の蒐集家である。「いちおう」というのは、本格的な蒐集を志しだしてから2年ばかりしか数えていないことによる謙遜だ。 「古本を買うのが好きなんです」と言ったときに、「じゃあブックオフとかよくいくの?」と返答が来ればその相手は古本者で…